共に上総掘りを勉強したギニアの青年、モハメド・ジャロさんの「生まれ故郷」に井戸を掘りたいとの熱意に共感して、中村さんは平成19年1月に、ギニアへ上総掘りによる井戸掘りに向かいました。
ところが、ギニアは内戦が続き、全土の治安悪化により、入国が1か月遅れの3月9日となりました。
さらに、井戸掘り用の鉄管、丸太、孟宗竹などの道具等が入ったコンテナもさらに遅れて、4月6日になりました。
上総掘りの足場、ひご車をセットし、帰国期限の4月12日前の2日間だけ掘削作業をしました。
水を掘りだすことができなかった無念のため、今年の再挑戦につながりました。
ジャロさんの自宅に滞在
空港で行方不明になった現金を含む全財産の入ったスーツケースが来なくて、1週間待ちました。発狂寸前でした。
帰国までの3ヶ月間、ルネ町にあるジャロさんの実家に宿泊しました。
ジャロさんのお母さんと妹さん
ルネ町の子供たち
ルネ町では、川が流れて、ポンプアップによる灌漑により、畑作されています。
毎日,ルネ町から掘削作業するイラヤ村まで片道1時間(約5Km)の道を通いました。
中村さんのカメラにポーズする村人
村の家 家畜が逃げ出さないように、入口は狭いです。
村の谷間の小川。村人はここから水を運んだり、行水、洗濯します。
乾季には度々、枯れます。
村のはずれにある湧水場
この水場には、チンパンジー、ゴリラ他の野獣も来ますので、動物が優先です。
危険が多いので、ここに来る時は、ライフル持参します。
村は山の中腹斜面に位置し、大きな岩がいたるところに散在しています。
どこを掘っても、このような石が6mぐらいまではごろごろしております。
上総掘りを断念して、手掘り作業に変更しました。
ルネ町からこの村まで徒歩で毎日通う姿は、村人にとっては理解できないようです。
今までの来た西洋人は必ず、車を使用して、村人と同席の食事や村の共同作業に参加することはあり得なかったようです。
今回の道普請の参加には村人の多くが驚いておりました。
穴の途中に大きな石が現れましたが、取り除くことができませんでした。
8mぐらい、掘り進んだところで、水が出てきました。
約1mぐらい水が貯まりました。
しばらくの間、作業を中断し、水の出具合を観察することにしました。
井戸の壁面崩れ防止のため、井戸の中に積み上げるブロックを作成しました。
後日、芽吹きましたが、放牧された牛などの家畜に食べられてしまいました。
自生している竹で、ひごを作成しました。
3枚目は国旗掲揚の場面です。
井戸底から、点検したところ、所々で壁面の崩れがありました。
8個目のブロックを挿入時に、ブロックが割れ、壁面が崩れ、崩れた土を取り除いたが、水が出てきませんでした。
前日に引き続き、土を取り除こうとしましたが、危険なので、作業を断念しました。
新たな井戸の掘削を始めました。作業の安全を祈念して、鶏をいけにえにささげました。
崩れた井戸を次回、上総掘りで掘削できるように、8mの塩ビ管を挿入しました。
ようやく、新しい井戸が完成しました。
現時点では、組み上げですが、やがては手動くみ上げポンプやつるべなどを設置する予定です。
写真右上が新しい井戸、中央下が次回、上総掘りで掘削予定の状態です。
村の長老とのお別れ
右の写真を見ますと、小糸中学校のジャージです。
3か月にわたりお世話になりましたジャロとお母さん
その間、膀胱炎、食当たり、軽いうつ状態を経験しました。病院もなく、自然治癒に専念しました。
思いは、愛する妻の待つ日本です。